「小鳥たちのキャロル」はマリア様の歌声と呼ばれたスーザン・オズボーンが美しく歌い上げている。(→過去記事へ)
そしてこの曲はもともとはチェロの神様、パブロ・カザルスの生まれ故郷のスペイン・カタルーニャ地方の古歌で、カザルス自身が「鳥の歌」と題してチェロ独奏曲に仕上げたものである。キリストを祝福する歌であるのに、なぜかこのキャロルは根源的な深い悲しみをたたえている。その悲しみはチェロの響きとともに深々と、そして静かに体の中にしみこんでいつしか慈しみに変わってゆく。
私はカタロニアの古い祝歌(キャロル)「鳥の歌」のメロディでコンサートを締めくくることにしています。・・・・(カザルスの言葉)
カザルスはこの「鳥の歌」に平和への祈りを込めて聴衆たちの前で演奏した。スペイン・フランコ政権下の内乱に巻き込まれるふるさとへの痛切な思いが、彼をして一音楽家に留まらせず、世界中の敬意を集める人道主義者に育て上げた。
同じようにミシャ・マイスキーは旧ソ体制下で軟禁・勾留に長い間耐え忍んだ経験を持つチェリストで、音楽を通して平和への願いを実践にうつしている。
小曲を集めたこのアルバムでは、やはり「鳥の歌」をエンディングに持ってきている。
<鳥の歌・白鳥//マイスキー・チェロ名曲集>(グラモフォン1997年盤)
他にシューベルトのセレナーデや五木の子守唄なども選曲されており、静かな午後のひととき心を休めるのにはとても良い。
◇3月12日の日記◇
そろそろ夕食の買い物にでも行こうと身支度をしているところに、母からの電話。Y先生が亡くなられたことを知らせる電話だった。半世紀以上もの間、実家や親戚縁者の多くがあれこれ支えられ、お世話になった方なので、母も話しているうちに涙声になってしまう。母の話を聞いているうち、私も最後にお会いした4年前の、昔とちっとも変わらないY先生の優しく落ち着いた佇まい、いろいろなことを思い返しているうちに、何ともいえない悲しい気持ちになってしまった。春というと、なぜか悲しい別れの思い出が多くて気鬱になってしまうときがある。それでも、母の言いつけどおり、Y先生のことはしっかり心に留めておこうと思う。
心から敬愛するY先生、どうかあの世では釣りや山歩きを存分に楽しんでください。父がお供になるでしょう・・・・(合掌)
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