傍観者からの手紙~FROM LONDON 2003-2005
朝夕涼しくなってきたので、気分だけでもぬくぬくしようとソファにカバーをかけたら、この方がさっそく独占しています。
「にゃに?文句あるの?にゃおこさん・・・・」てな感じで悠然と毛づくろいにいそしむトロ。
ここはアタシも好きな場所なんだけど、下の床に座ってソファにひじ枕しながら本を読み、トロをからかったりして。(笑)
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久々に外岡秀俊氏の文章・言葉に触れたくなり書店で何冊か探し出し、見出しをめくって閃くものがあり手に取ったのは「傍観者からの手紙」。ロンドン在任中に知人の編集者と取り交わした往復書簡や、「手紙」の形式を取った覚書のいくつかを編集したもの。2003年~2005年といえば、私にとっても身辺が大きな波に揺られていたころで、当時のことを思い出しながら読んでいる。この本は彼が以前文藝賞を受賞した小説書きでもあるのがよくわかる作品だと思う。
9.11以降の時局を取り扱っているのにも関わらず、その生気が薄れずに心に響いてくるのはなぜなのか?彼自身の解説で作品中でこの手紙の意図するものに触れている。
時局に関する情報は、テレビ・新聞のサイトで分刻みで更新され消えてゆきます。手紙を書く現時点の情報はお手元に届くころには旧聞になっているでしょう。そこで手紙を書くにあたっては、時局に関する今の情報がなんらかの意味をもつように、欧州の歴史や文学などのフィルターにかけることを思いつきました。歴史のフィルターを通すことで時局情報から不純物を取り除き、一つの時代の形を定着させようとする試みでした。あるいは、情報という繊維を解きほぐし、歴史や文学という「撚り」を通して水中で互いにからみ合わせ、手漉きで現代の和紙を作り出す作業のようなものだと言えるでしょうか。毎回の手紙に文学作品の表題をお借りしたのも、そのためでした。
あ~、そうかもしれないと納得する。全体に漂っている、言葉には言い表せない何かに気持ちよく包まれながら。何度も、何度もページをめくり返しながら読んでいる。読了まではもう少しかかりそう。
「イングリッシュ・ペーシェント」(1996年・米・マイケル・オンダーチェ監督)・・・・私も好きだった映画。今、またこの本の中で出会って、再理解を深めている。
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